インクルーシブ社会構築系
グローバル化する現代世界のなかで,多様な文化・宗教・ジェ
グローバルDEIプログラム
違いに学び,違いを活かす―インクルーシブ社会構築への広がり
21世紀において,多様性と公正さに支えられた豊かな共生社会の構築に向けた取り組みが求められています。人文社会科学の知識を広く学ぶことで,ジェンダー,セクシュアリティ,宗教,障がい,人種といった様々な差異とその重なりを認識し,社会や文化が抱える課題を多層的に考察できる視野の習得を目指します。
プログラムの理念・教育目標
DEIとはDiversity, Equity & Inclusion(多様性,公平さ,共生)のこと。現代社会における多様性,公正さ,共生に関する諸問題について,人文社会科学の様々な研究手法を通じ認識を深めます。多様性に富んだ公正かつインクルーシブな社会の構築に向けて,文化・宗教・ジェンダー・セクシュアリティ等に関する視野を広げ,そこで得られた知見を基に現代社会を多層的に考察する能力の修得を目指します。
教育内容
1年次 | 共通教育科目,国際学入門・同E,日本文化・同E |
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2-4年次 | 研究指導,異文化理解,ジェンダーと社会,マイノリティとメディア文化論等の専門教育科目,海外語学研修,派遣留学,特定の課題についての深い学びから卒業論文へ |
取得可能な資格
学士 | 国際学 |
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資格 | 中学校教諭一種免許(国語,社会,英語),高等学校教諭一種免許(国語,地理歴史,公民,英語),日本語教育専攻資格 |
プログラム内履修システム
1年次には国際学類に必要な基礎的な素養を専門基礎科目(「国際学入門/国際学入門E」と「日本文化/日本文化E」)や「異文化理解」を通じて身につけます。2年進学時には複数のプログラムで横断的に学び,英語や他言語の運用能力を発展させつつ,「ジェンダーと社会」や「国際関係論」などの専門科目とピア学習「研究指導」を履修することで,多様性と公正さを軸とする共生社会の構築に向けた理解と関心を広げていきます。なお,2年次以降は,本プログラムの単位と読替可能な海外語学研修と短期海外留学を積極的に活用して,日本以外の文化圏を実際に体験し,異文化交渉力を身につけることを推奨します。
3年進学時にグローバルDEIプログラムを主専攻と決定した場合は,「多文化主義論E」や「マイノリティとメディア文化論」などのさまざま専門科目を履修して人文学的なアプローチを体得すると同時に,研究演習(ゼミ)に属して自らの関心を能動的に探求していきます。卒業論文の執筆にあたり,学生はこれらの学びを通じて立てた問いを研究調査を通じて理論的・実証的に解明し,共生社会に対する理解の幅を広げることに貢献します。
プログラムの特徴的な科目
「異文化理解」 (1年次) |
世界のいくつかの地域の文化について学び,「異文化とのしなやかな共生」を考えるための基本的な知識を獲得する。 |
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「ジェンダーと社会」 (1~4年次) |
グローバル化が進展する現代社会の諸課題を,ダイバーシティとジェンダーの視点から分析し,今後の望ましいあり方を考察する。 |
「国際関係論」 (2~4年次) |
国際政治を読み解くための理論や概念を学び,それらを応用して,ジェンダーや人種差別を含む近現代の国際問題について考察を深める。 |
「多文化主義論E」 (2~4年次) |
国際的な移住による人工統計的および文化的な影響に関する事例を学び,民族的・文化的多様性の発展に伴う諸問題を解決するための知識と理解を発展させる。 |
「マイノリティとメディア文化論」 (2~4年次) |
クィア・LGBT映画の歴史を中心に,身体・人種・セクシュアリティなど様々な差異と共通点について映画分析を通じて分析する力を養う。 |
プログラム専門科目
異文化理解,ジェンダーと社会,比較ジェンダー論E,人類学的異文化理解,マイノリティとメディア文化論,多文化主義論E,地球環境論E,憲法(人権)
教員からのメッセージ
久保 豊 准教授
私たちが日常生活を営む21世紀の世界は,差別や不条理から決して自由ではありません。大きな権力構造によって歴史・文化的に作られてきた,弱者に対して不寛容な社会の仕組みを見直す作業は一筋縄ではいきません。しかし,私たちは深い知識を得て,権力構造を批評する術を身につけることで,誰もが生きやすい世界を目指すことはできるはずです。例えば,Netflixで移民や環境の社会的課題を扱ったドキュメンタリー映画を観る体験もその過程の一部です。多様性,公正さ,共生を合言葉に,世界を多角的に分析するための具体的な方法と言語運用能力を習得しつつ,ときには抽象的な概念と格闘しながら,生き延びる力を養っていきましょう。
日本語教育プログラム
日本語,日本語教育,日本文化について深く学び,質の高い日本語教師を目指す
世界で日本文化への関心が高まり,深い知識と教授力を持つ日本語教師が求められています。日本語教育プログラムは,日本語教師を中心に国際的に活躍する人材を養成するプログラム。日本がこれまで以上に外国人を受け入れていく時代に貢献できる人材を養成します。
プログラムの理念・教育目標
日本語教育専攻資格のための専門科目を中心に学び,日本語や日本語教育,日本文化の専門知識はもちろん,「日本語教授法」「日本語教育実習」等の演習・実習科目で実践力を身につけます。グローバル時代の国際社会や日本社会についての理解と,外国語でのコミュニケーション力を生かして日本語を教える能力の修得を目指します。
教育内容
1年次 | 共通教育科目,国際学入門・同E,日本文化・同E |
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2-4年次 | 研究指導,日本語教育学基礎,日本語学概論,日本語教授法,日本語教育実習等の専門教育科目,海外語学研修,派遣留学,特定の課題についての深い学びから卒業論文へ |
取得可能な資格
学士 | 国際学 |
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資格 | 中学校教諭一種免許(国語,社会,英語),高等学校教諭一種免許(国語,地理歴史,公民,英語),日本語教育専攻資格 |
プログラム内履修システム
1年次は専門基礎科目「国際学入門/同E」「日本文化/同E」や専門科目「異文化理解1・2」などを履修し,国際学類の基礎的な素養を身につけます。2年進学時に日本語教育プログラムを選択した後は,日本語教育人材の養成に必要とされる内容の専門科目(講義,演習)を中心に履修することで,日本語教育に関わる幅広い知識を身につけます。
3年次からはさらに専門性を高めながら,日本語教育実習の科目を通して日本語を教える実践力を養います。また,他プログラムと同様に,「研究演習」(ゼミ)で自らの研究課題を探索し,4年次に卒業論文を執筆します。
プログラムの特徴的な科目
本プログラムは,日本語教育人材の養成を主目的としたプログラムとして,2019年に文化庁文化庁から出された「日本語教育人材の養成・研修の在り方について(報告)改定版」に準拠した多彩な科目(「社会・文化・地域」「言語と社会」「言語と心理」「言語と教育」「言語」の5分野)を修得できるようになっています。日本語教育,日本語学,日本文化に関する基礎的な科目はもちろんのこと,日本語教師としての実践力を高めるための「日本語教授法」「日本語教育実習」等の科目も充実しています。希望者には海外教育実習も開講されていますし,金沢市内の日本語学校や日本語教育機関でのインターンシップにも参加できます。また,外国籍年少者への日本語支援活動や留学生のチューターなど,多様な実践的活動の場が準備されています。
プログラム専門科目
日本語教育学基礎,日本語教育史,日本語教科書研究,第二言語習得論,日本語教育評価法,日本語教育とICT,発達と学習の心理,日本語教授法,日本語教育実習,海外日本語教育実習,日本語学概論,言語学概論,日本語文法,日本語音声学,日本語史,社会言語学,対照言語学,認知言語学
教員からのメッセージ
市嶋 典子 教授
近年、日本語教育学の重要性が指摘され、日本語教師の果たす役割はますます大きなものになっています。日本語教育プログラムでは、日本語教育学に加え、近接領域の知見をもとに、理論と実践の両面から問いを立て、その問いを探求していきます。一方、日本語教育学の知見を持って活躍できる人材は、日本語教師だけではありません。企業や自治体、様々な教育機関でも本プログラムで得た知見を十分に活かすことができます。ことばを学ぶことの意味は何か、多文化共生社会を実現するために、いかなる理念や方法が考えられるのか。日本語教育プログラムでは、広い視野で日本語教育学をとらえ、共に学び合う場を創造していきたいと考えています。