2021年度国際学類学位記伝達式
2022年3月22日、国際学類の学位記伝達式が挙行されました。新型コロナウイルス感染症拡大防止のため内容を大幅に簡略化したものにはなりましたが、今年度は3年ぶりに卒業生が一堂に会しての学位伝達式を実施することができました。卒業生の皆さん、ご卒業誠におめでとうございます。皆さんのより一層のご活躍を祈念しています。
以下は、古畑徹学類長からのはなむけの言葉です。全文を掲載します。
皆さん ご卒業おめでとうございます。
今年の卒業生は、全部で120名になりました。本国際学類始まって以来、初めての100人越えです。皆さんの多くが入学された2017・2018年度の学生定員は70名ですので、入学時の1.7倍の方が、今年卒業することになります。これが何を意味するかは、すぐにお分かりと思います。本来ならば半年以上の留学をし、その関係で「留年」するはずだったのに、新型コロナウィルス感染症の拡大によって、留学を途中で帰ってきたり、そもそも行くことができなかったりした学生さんが、特に2018年度生でいかに多かったかということです。また、留学のできた2017年度生でも途中で帰ってきた人もいたでしょうし、コロナ禍の影響を受けて就職活動が思うようにならず、1年待ったという人もいたと思います。本学類の学生の皆さんにとって、いかにコロナ禍の影響が大きかったかを示してくれるのが、本年度の卒業生数120名という数字なのだと思います。
ただ、このように説明すると、マイナスなことを話しているようですが、そうではありません。この120名は、今までの卒業生のなかでも抜群に自信をもって送り出せる120名だという話をしているのです。つまり、皆さんの多くは、入学当時に描いた4年もしくは5年の学生生活ができず、いろいろと考え、状況に対応し、そして柔軟に方向転換をしたり、初心を貫いたりしながら、苦労して卒業にたどり着いたのだと思います。そこで得られた経験は、ほかの世代では経験できなかった、非常に貴重な経験だと思います。また、不完全燃焼で終わった部分、心残りな部分も非常に多かったと思いますが、それはまた、次への糧となる部分でもあります。そうした部分があるからこそ、チャレンジする気持ちをもって社会に出ていってくれるのではないかと思うのです。
コロナによって、入学した時とは、世界の状況は大きく変わりました。それでも少しは先が見えてきたところで、今度はロシアのウクライナ侵攻が始まりました。また世界がどこへ向かうのか、不透明な状況が生まれています。これについてはいろいろな考え方があるとは思いますが、少なくともいえることは、ごく一部の人を除く大半の世界の人々が戦争をやめて平和な時が来ることを望んでいるということです。国際学類のコンセプトは、「異文化とのしなやかな共生」ですが、その意味するところ、そのめざすところは、異なる人々が対立することなく、ともに幸せに生きていける平和な世界の構築に役立つマインドとスキルを身に着けた学生を育て、世に送り出していくことです。そうした人が世の中に増えること、またそうした人がそのマインドとスキルをほかの人に伝えていくこと、それが世界を平和に導くベースなのだと私は思います。皆さんの小さな力を積み重ねていくことで、この世界に「異文化とのしなやかな共生」が実現する時代が訪れることを願って、私の話の締めくくりとさせていただきたく思います。
最後に、本来ならば学位記伝達式では皆さん一人一人の名前が呼ばれ、一人一人に学位記が渡されますが、今回もそれができません。せめて、最後に全員の名前だけでも読み上げさせてもらえたらと思います。
(120名全員の氏名読み上げ)
皆さん。ご卒業、おめでとうございます。