国際学類について
教員紹介
ヨーロッパコース
粕谷 雄一 教授
ヨーロッパコース 研究領域フランス語圏文化(特にアルジェリア音楽)、フランス語教育、文学 Africans through Music, Literature and Arts / 音楽、文学、美術を通じて知るアフリカ系人 |
研究内容やゼミの内容
わたくし粕谷は[フランス]語教育+[フランス語圏]音楽+[フランス語]文学の好きな「フランス語系人」です。[ ]がいくつもついているのはなぜか、ご説明します。
まず[フランス]語教育。フランス語を教えること、教え方を研究することがわたくしの仕事ですが、フランス語だけでなく語学教育全般のことをいつも考えています。フランス語と同じ「ロマンス語」の仲間であるスペイン語、ポルトガル語、イタリア語などの教育とフランス語教育の関係や、フランス語と英語との親密な関係からくる両言語の教育の相乗効果や、6つの国連公用語に代表される広い地域で用いられる言葉の教育の振興などです。フランス語圏大学への留学に向けた教育、英語で行うフランス語教育、フランス語教育を通じたフランス語圏の歴史や世界の事情の理解もわたくしの重要なテーマです。
次に[フランス語圏]音楽。元から世界の音楽、ワールドミュージックが好きで探究し続けているわたくしですが、ヨーロッパ、アラブ圏、アフリカ、カナダやカリブ海などのフランス語国・地域には豊かな音楽文化を持つところが多いので、そういう音楽文化を勉強していると、それらの国・地域の歴史や社会の姿がよく見えてきたように思います。なかでもアルジェリアとは縁が深く、わたくしがアルジェリア音楽について音楽雑誌に書いた記事や、アルジェリア情勢について新聞に書いた記事を読まれた方も多いかもしれません。
そして[フランス語]文学。フランス文学の流れを中心に据えてみると古代から現代、未来に向かう世界の文学の流れがよく見えると思えるのは、もともとわたくしがフランスの文学者スタンダールの研究から出発した人だから、だけではないと思います。そのような世界文学のあらましを学域共通科目「文学概論」で解説しています。そして2014年から数年は、わたしが現代文学の原点のように思うスタンダールの作品を授業で読んでいきます。
それから、わたくしにとっては「卒論指導」も重要です。「本」と人とのあいだ、「テクノロジー」と人間とのあいだの関係について注意を喚起しながら、フランスやフランス語関係の論文だけでなく、学生諸君のリクエストに応じてヨーロッパに関係したさまざまなテーマの卒論執筆のお手伝いをしています。複数の領域にまたがるテーマ、既成の学問分野、方法論ではとらえきれないものこそ、国際学類の卒論にふさわしいものだと考えます。卒論指導のゼミには3年生以下の学生さんも参加していろいろなヒントを得てくださって結構です。真剣に書いた卒論は生涯の糧となるでしょう。
あと学生さんの要望に答えてトルコ語自主講座作りのお世話もしました。学生さんのためであればどんな分野にでも挑戦していく所存です。