金沢大学人間社会学域国際学類金沢大学人間社会学域国際学類

国際学類について

学類長あいさつ

「異文化との〈しなやかな共生〉を実現できる真の国際人」の育成をめざして

  金沢大学国際学類ホームページにようこそ!
  私たち国際学類のコンセプトと現状,それに「いま」(2020年4月初)に対する私たちのスタンスについて簡単に説明し,学類長あいさつとします。

 金沢大学国際学類は,「グローバル化が進んだ21世紀に,国際社会への洞察力を持ち,異文化との〈しなやかな共生〉を実現できる真の国際人」,すなわち「外国・異文化への関心と探求心,コミュニケーション能力を持ち,将来国際的業務で活躍できる人材」を育てることを目標としています。そのため,国際社会と日本について多面的・総合的に学び,英語を中心とした外国語コミュニケーション能力を育てるカリキュラムを用意しています。具体的には,1,2年次を中心に学類共通科目の「国際社会系」と「日本文化系」の科目を学び、国際人としての素養を身に付けます。また,2年次から4年次にかけて各自の興味・関心に応じて「国際社会」「日本・日本語教育」「アジア」「米英」「ヨーロッパ」のいずれかのコースに所属しながら,国際社会や特定の地域,あるいは日本文化や日本語(教育)についての学びを深めます。授業は,少人数でおこなう演習を中心とした課題探求型のアクティブな学びを重視しています。

 国際学類は,定員が一学年85名と比較的少なく,学生同士が縦も横も仲がよく,お互いに刺激し合って成長しています。また,教員と学生との関係も親密で,「学び手」として対等な関係を築いています。  

 国際学類は留学を義務化していませんが,強く奨励しています。近年では,卒業段階で,交換留学を中心とした半年以上の留学は60%以上,他の海外研修を含めると90%以上の学生が何らかの海外経験をしています。学類としては,さらに留学と海外研修を質・量ともに充実させていくつもりであり,そのためにも英語をはじめとした外国語の教育に力を入れていきます。

 国際学類は2020年3月末で,発足からちょうど12年を迎えました。2014年度には本学が文部科学省のSGU(スーパーグローバル大学創成支援事業)に採択され,国際学類はその先導役も担っています。この間,数多くの卒業生を出してきましたが,その多くは様々な分野のグローバルな企業で活躍し,いま海外在住の者も少なくありません。あるいは外務省やJICA,研究機関で活躍している卒業生,地方自治体や教育機関で国際協力や国際教育の中核を担っている卒業生もいます。近年ほぼ100%の就職率を誇っていますが,その背景にはグローバル展開をしている企業の就職担当者からの高い評価があります。私たちは,そんな評価のなかに「真の国際人」を育てるという教育目標がかなり実現できていると感じています。ただ,時代の変化に合わせて私たちの教育も見直さないとこの状況は持続できません。私たちは,常に正確な情報を集め,それに基づいて現在と将来を分析し,新たな学類の姿を模索し続けています。

 このあいさつを書いている2020年3月末は,新型コロナウィルス(COVID-19)がパンデミックを起こし,世界がその対応に追われている真っ最中です。この流行のあり方自体が世界のグローバル化の進展と現状をよく表しており,それ故に各国の対策がグローバル化と正反対の国境封鎖になっているのだと思います。この状況に対し,私たち国際学類の立場から二つのことを、これを読まれている主に受験生の皆さんにメッセージとして発しておきたいと思います。

 一つは,このような状況になっても,グローバル化の進展は今後も変わらないということです。世界史を繙(ひもと)くと,グローバル化が世界的な感染症の流行を呼んだ例は多数あり(14世紀のペストや19世紀のコレラなど),その都度人類はそれを克服してきました。その時,政治や社会・経済に様々な変化がもたらされましたが,グローバル化自体は,一時的な停滞や軌道の修正はあっても,しばらくすると再び進展の道を歩み始めます。まして今回のパンデミックの克服には,国際協調・国際協力は欠かせません。ポスト・コロナパンデミックの世界を見通すのは難しいですが,今よりいっそうグローバル化が進展した世界が来るであろうことは間違いありません。

 もう一つは,これからの時代で活躍できる人間になるには,デマやフェイクを見破る知性と,多様な世界を理解して差別を見抜く感性の獲得が必要だということです。新型コロナウィルスをめぐっては,多くのデマやフェイクニュースが流され,また他国・他民族に対する攻撃的言説や差別的言辞が蔓延(はびこ)っています。これらは事態の悪化要因でしかありませんが,今後も事あるごとに同様のことは起こってくるでしょう。これからの時代を生きる皆さんに求められているのは、それらに惑わされたり,与(くみ)したりしない人間となることであり、そのために必要なのが,学問的訓練を積むことで得られる冷静で緻密な知性と,多様な人々との接触の中ではぐくまれる柔軟で鋭い感性です。そしてその獲得こそが,「異文化との〈しなやかな共生〉を実現できる真の国際人」の育成を標榜する私たち国際学類が目指しているものなのです。

将来,国際的に活躍してみたいと考えている皆さん,金沢大学国際学類で共に学び,「真の国際人」への道を歩み出してみませんか!

2020年4月

国際学類長 古畑 徹

  1. 国際学類についてAbout
  2. 学類長あいさつ
  3. 理念・目標
  4. 教育の特色
  5. 教員紹介