教員紹介

国際社会コース / 東江 日出郎 准教授

東江 日出郎 准教授
国際社会コース
東江 日出郎( Agarie, Hideo )

研究領域
開発学(開発と政治)、東南アジア地域研究(政治)

【研究の内容】

 私は、これまで東南アジア、とりわけフィリピンの地方の政治過程を主な研究対象とし、同国の政治の動態、特に地方の健全な民主的政治とそれに基づく開発のためのガバナンスの出現とその態様、その展開、そしてその諸要因を、聞き取り調査を中心に解明する質的研究をしてきました。
 発展途上国における開発については、アジアなどでの成功例もありますが、うまくいかないで未だに国内に経済成長がうまくいかない問題や貧困、保健・衛生題、教育の不備の問題など、様々な問題を抱える国々が多くあります。このような不良開発や開発の不在の1つの要因として、ガバナンスがうまくいっていないことが指摘されてきました。そして、今では国際機関などは「民主的」で「良いガバナンス」をできるだけ実現するために、途上国政府が能力強化し、市民社会が開発過程に参加することが必要である、という方向性を打ち出しています。
 そのような中で、研究者、特に政治学者は、一部の有力者が権力を握り、その権力者を支持し、追随する者たちが、開発の果実を独占するという「親分-子分関係的政治・行政」の実態を指摘したり、独裁者によるとみの独占を指摘したりして、それを改革する必要があると言ってきました。この問題は途上国では非常に深刻な問題で、未だに支配的側面であり続けています。
 ただ、そのような独裁や親分‐子分関係を脱して、民主的な政治や行政に基づく合理的な地域の発展を実現するところが途上国の地方には誕生し始めていることも確かです。私は、これまでの研究者が指摘してきた政治・行政における問題点を踏まえながらも、そればかりではなく、そのような問題点を解決に向かわせる政治や行政の実践を研究したいと考えています。言い換えると、ガバナンスに関する先進事例、もしくは成功事例を具体的に描くことで、「問題点は克服することができる」ということを示して行きたいと考えています。
 また、私は主にフィリピンについて研究をしていますが、これからは他の東南アジア諸国やその他の途上国にも視野を広げて比較などの視点を取り入れて研究していきたいと考えています。

【学生の皆さんにのぞむこと】

 国際学類に所属する学生の皆さんには、世界には色々な国や地域があって、それぞれが独自の文化や歴史、政治、経済、社会などの「文脈」を持っていることを理解して欲しいと思います。また、その中で自分とは異なる「文脈」の中で生きる人々に対する理解を深め、共感できるようになることを願います。
 卒論などでは、出来れば、どこかの国・地域を1つ選択し、その中で自分が主に関心のある分野(専門領域)の具体的事例を考察することで、このような資質を身に着けると同時に、学問的な分析能力なども培ってもらいたいと思います。